セクシー田中さん署名の報告(旧・西山聡(agemaki66)の気まぐれブログ)

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紅旗征戎非吾事/チョン・ミュンフン

 「世上乱逆追討雖満耳不注之 紅旗征戎非吾事」(紅旗征戎、吾事ニ非ラズ)というのは、藤原定家『明月記』に出てくる名言である。紅旗征戎、吾事ニ非ラズ になぞらえれば「郵政民営化 吾事ニ非ラズ」だ。民営化より本質的に問題なのは、財政投融資郵貯資金が流れ、むだな公共事業に流れて環境を破壊することや、日本の社会保障制度が貧困であるが故に簡易保険というある種のオルタナティブな制度(ちがうかな?)を必要としてきたことでは無かったか? 
 少なくとも私は、郵便貯金と簡易保険が「改革」され、またも「日本のお金」がアメリカ合衆国に流れることだけはイヤだ。それと郵政民営化より、介護保険の改悪や、障害者の自立生活の問題の方が、よほどよほどよほど重要なのではないか? 「永田町」も「マスコミ」も「マスコミに出る人」も、「いったい生活をしているのだろうか」と疑ってしまう。郵政民営化より、簡易保険にしか入れない人を政治はどう救うのかの方が、よほどよほどよほど大事なのではないか?

 (僕は網野善彦(参考: http://www.horagai.com/www/txt/amino.htm など)のファンなので、そもそも「日本とは何か」から問うべきだとは思うが、ここでその話をするとややこしくなるので、その問題はおいておく)

 「紅旗」をふりかざして首相はハシゃぎ、マスコミや国民も踊らされているが、そもそも、自由民主党を壊す以前に、「自民党が何を壊してきたのか」「構造改革で、痛みはともなうが、本当に明日は見えてくるのか」を問題にして欲しい。 (参考:http://www.janjan.jp/election/0508/0508080569/1.php ) 日本は今、所得格差は拡大し、耕作を放棄する農地は増え、人工林はあれ放題、市街地中心の商店街はシャッターを閉めたままの休業店鋪が目立ち、なにかが深刻に壊れてしまっている。そこを何とかして欲しいのだ。
 
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 というわけで「世上乱逆追討」のごとき昨今の国会やマスコミには呆れ果て、脈絡は無いが、今日は朝霞市営温泉に出かけた。(世の中に呆れつつ、自分は温泉に行ってしまうというところが、我ながら余りに「小」市民的で情けない)
 朝霞市営温泉からの帰り道、NHK−FMから、チョン・ミュンフンが指揮した東京フィルハーモニー交響楽団の、マーラーの第三交響曲の後半が流れてきた。僕は不勉強なので、最終楽章の最後の方で、ブラスが延々と主題をかなでる意味がよくわからなかったのだが、「これって教会のコラールを意識してるんジャン」と、ようやく意味が分かった(自戒:もっとよく勉強しませう)。
 家に帰ってから、発売当時、衝撃を受けた1992年録音の、チョン・ミュンフン指揮/パリ・バスティーユ管弦楽団の『シェエラザード火の鳥』のCDを聴いてみた。Rコルサコフやストラビンスキーが、音で描こうとしていた「物語」が手に取るようにわかって、あらためてびっくりした。
 チョン・ミュンフンが指揮する東京フィルハーモニー交響楽団、こんどライブできいてみようかな。